自認李徴

臆病な自尊心、尊大な羞恥心
有名な文章だ。
当てはまる人も多いだろう。
私もその一人だ。
切磋琢磨をしなかった怠惰。
これも私に当てはまる。
李徴とはまさに、私そのものを表しているかのようだ。
と、思っていた。

若くして科挙に合格している。
こいつ、天才じゃん。
別の分野で成功を収めた人間が、才能が無い物に飛びついて自滅した。ってことでしょう。
……私はどの分野でも成功を収めていないんですけど。

そう考えるとなんだこいつ?としか思えなくなっていた。
しかも、変身後が虎って。
もっと、か弱き生き物になってくれ。
自らの姿を醜悪だと評しているが、本当に虎になってしまったことを、後悔しているのだろうか?
むしろ、強者になれて良かった、と感じているのでは?
様々なことを語り、どれほど悲劇的なことか、長々と説明してくれている。
そんなに同情してほしいのか?
結局、変わっていないじゃないか。

だが、私にも李徴のような感覚が現れているのも事実なのだ。
自尊心、羞恥心、怠惰。
兼ね備えてしまっている。
足りないのは、科挙に合格するほどの才能と知能。

というか、李徴より努力しているかもしれない。
そうなると怠惰ではない……はずだ。

……余計にみじめになるだけであった。